JRC NRD-545

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日本無線 JRC NRD-545 レビュー

評価項目

日本無線 JRC NRD-545 (製品番号 04876)

価格(定価)

購入価格 \170,000 税込 (定価:\198,000)。 購入日:2000年5月13日 (秋葉原ロケット)

外観

デジタルSメーター、数多く存在する各種スイッチ、大型のチューニングノブなど、いかにも受信機という感じの洗練されたデザインは非常に良い。黒い正面パネル左上のJRCの赤バック金文字のロゴバッジ、音量ツマミ等基部、同調ツマミ基部の金色がアクセントになっている。高級感高い。DSP受信機であることを示すプレートが本体正面左上に付いているがプラスチック製であり、この部分だけ安っぽく見えるのは残念。

表示パネル、Sメーターの視認性

カラー液晶表示パネルは周波数が大きく表示され視認性高い。上から見下ろす状態では背景の液晶パターンなどがくっきりと見え、視認性悪くなる。デジタルSメーターの表示も大きく見やすい。電波の強弱の変化に対するSメータのレスポンス良好。ユーザー定義設定で「シングル表示」を選ぶと、アナログSメーター的な表示が可能。

選択度

良好であるが、受信状況によっては切れが悪いと感じることがある(音質の問題?)。(製品番号が09356の同型機では問題なし)

音質

安価なポケットラジオのような音域の狭いキンキンする高音中心の音。頭の中心が痛くなる。外部スピーカーには高音カットフィルターが必須。Line outからの出力では多少高音のキンキンした状態が緩和されるが、よくなったとは言えない。AMモードではフェーディングに伴い音が異様に割れると同時に音量が不自然に変わる。プツプツという人工的なノイズも発生。聴くに耐えない(サンプル音1, サンプル音2:Record端子よりAGCをonにして録音。再生にはRealAudioが必要)。ECSSモードにすると歪みは消えるが、音域バランスの悪い音である。トーンコントロールでなんとか調節しようと思っても、トーンコントロールが希望どおりに機能しない。つまみを左にまわすと高音はほとんど変化せず、中低音が弱くなり、より不自然な音になる(使用説明書ではこのツマミで高音をコントロールすると記載されている)。左に回しきると突然音がこもり、小さくなる。SSBモードでは音は歪まない。(製品番号が09356の同型機ではAMモードでの歪みは少なく、支障なく使える)

時計、タイマー

周波数と時間を同時表示できないのは不便。電源コードからの電源供給が切れると時計がリセットされてしまうのは不便。

感度

短波帯は良好。中波は並。

同調操作

同調ノブはゴムで覆われており手触りがよく、同調操作感は良好。ノブ回転の重さはNRD-345と比べるとやや重い。10キーの位置は適切で入力しやすい。

その他の操作

各種ノブおよびボタンサイズおよび配置は適切。ほぼ一つのキーに一つの機能が割り当てられており、分かりやすい。

その他の機能

VFO A/B切り替えがないのは不便。AGCについては Passport to World Band Radio, Edition 2000の日本無線のNRD-545広告に「LSB, USB, CW, RTTY, ECSSモードにおいて0.04〜5.1秒の間で連続可変」と記載されていたのであるが、実際は「ECSSモードでは固定」である。ノイズブランカー、ビートキャンセラー機能はECSSモードでは機能しない。AMモードでNOTCH機能はONできるものの、取り扱い説明書には「ECSS使用時は、NOTCHをOFFにした状態で運用してください」と記載されている。AMモードECSSの上側波帯、下側波帯の切り替えがボタン一つで出きるのは便利。

その他

AMモードの音質の悪さの原因としてDSPのハードウェアあるいはソフトウェアに問題があるのではないかと思い、日本無線本社に問い合わせたが、「DSPを使っているのでそういう音である。ECSSモードにするとよくなる。製品番号(04876) と DSP ROM型番(7DEDN0006A) は最新のものであり、ROMによる障害ではない」との解答。ずいぶんと前に既に5000番台の製品が海外で流通しているがとの指摘には、「海外と日本では番号の付け方が違う。日本は4000番台で、海外では5000、6000番台を使っている」との解答。PWBR 1999 の受信機評価記事では、評価機は搭載されている2つのROMの型番(日本無線が付けている番号)の末尾がBのVer.3 (B/B version)であり、Ver.2 よりも音の歪みがかなり改善されているとのこと。私が新品で購入したNRD-545に搭載されているDSP ROMに貼り付けられているシールの番号は 7DEDN0006A であるが、最後のAは7DEN0006 と印刷されている後に、黒インクで別途不自然に追記されたものであった。ROM表面に印刷された型番(製造元が付けている番号)は薄くなっており読めない。DSPチップ(ANALOG DEVICES社製)の型番は ADSP-21062 であるが、削って消そうとしたような跡があった 。その他、本体製品番号のシールは剥がして貼り直した跡があった(縦皺、右端の剥がれあり。工場で貼る際、うまく貼れずに張り直したのではとの日本無線の回答)。- 添付写真資料参照。なお、製品番号04664以前の初期バージョン品は型番7DEDN0006のDSP ROMを搭載していたが、音の歪みが問題となり、アルゴリズムを変更した新ROMへの無償(?)交換が行われたとの報告がある。

総合評価

日本無線の広告内容を鵜呑みにして期待を大きく膨らませて購入すると、がっかりさせられる。SSBモード受信前提の設計であり、AMモードでの受信音は実用的でなく、またセールスポイントとされている複数の機能が使えない(広告に事実と異なる記載があるのは問題あり)。一方、SSBモードで聴く場合はすべての機能が有効に働き、操作性もよく、価格相応の受信機である。AMモード受信ではAOR-7030、SSBモード受信ではNRD-545といったような使い分けが必要。(製品番号が09356の同型機:AM-ECSSモードにおいては AOR-7030AM同期モードよりも明瞭に受信できる場合あり。AMモードにおいても、NRD-545とAOR-7030の使い分けが有効)


(以上、2001年5月 改訂)

写真資料

製品番号が04876のNRD-545
写真1 : DSPとROM(新品のはずがDSP tipの型番を削って消した跡あり。ROMの型番にも不自然な追記あり)
写真2 : 背面製品番号ラベル(新品のはずがシールを剥がして貼りなおした跡あり)
写真3 : 取り扱い説明書

比較対照として入手した製品番号が09356のNRD-545
写真4 : DSPチップとROM
写真5 : 背面製品番号ラベル
写真6 : 取り扱い説明書



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